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多様化する仏壇の飾り方

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家具調仏壇の先駆け-現代仏壇

住宅事情の洋風化、狭小化にともない、お仏壇の形も柔軟な変化が求められました。

もともと研磨剤メーカーだった八木研(大阪市)は、1984年に「自由仏壇」を発表し、これが現在の家具調仏壇の始まりだと言われています。

1991年には「現代仏壇」を発表し、仏壇自体がインテリアといえる斬新なスタイルを次々と打ち出し、新しい祀り方を提唱し続けています。また、これに追随するように、さまざまな仏壇メーカーが家具調仏壇を開発販売しています。

さまざまなデザイン

仏壇と聞いてイメージするのは、台付き仏壇であれ、棚や机の上に置けるサイズの上置き仏壇であれ、いわゆる「箱型」のものが多いでしょうが、最近のお仏壇のデザインは実にさまざまです。

オープンステージで開放的に祀るもの、スペースを有効利用することのできる壁掛け仏壇、コロがついて稼働することのできる仏壇、家具メーカーとコラボレートした仏壇など、本当にさまざまです。

ぜひギャラリーに足を運んでみてください。家具屋さんを巡るような感覚で最新のお仏壇に触れてみることで、故人や先祖に手を合わせたい気持ちになるかもしれません。

モダンテイストの仏壇・仏具

昨今の家具調仏壇は、木製のものだけでなく、漆塗りや、ガラスや、和紙を使ったものなど、実にさまざまです。

またそれにあわせて仏具のデザインも多様化しています。

手元供養という考え方

遺骨をお墓に埋葬せずに手元に残しておくという方が増えています。

自宅に置いていたり、肌身離さず身に着けていたり、遺骨を礼拝の対象にしているという点では、「墓+仏壇」の役割を果たしていると言えるかもしれません。

手元供養には、「加工型」と「収蔵型」があります。

〇加工型

  • 遺骨を上薬にして造る陶器
  • ダイヤモンドへの加工

〇収蔵型

  • 地蔵の焼き物
  • ガラスや陶器など、モダンデザインの骨壺
  • 遺骨が収蔵できるペンダント

手元供養のニーズが広まっているのは、死生観の変化(宗教者による供養を求めない)、社会的背景(墓離れ、寺離れ、核家族化、仏壇や墓といった高額な供養商品の敬遠)、精神的背景(生活圏内に故人を留めておきたい)などの理由によるものだと思われます。

手元供養商品が社会的に認知され出したのは1990年代ころからで、2005年には手元供養協会が発足しています。

宗教的制約を排除するのがそもそものコンセプトですから、新規参入がとても多いのが特徴です。

自由な祀り方の背後にあるもの

多様化する祀り方には、社会環境のさまざま変化という背景が伴っています。

核家族化による先祖という存在の希薄化。人工の都市への流入による地縁の希薄化、それに伴う寺院の影響力の低下。供養は、寺院のような専門家に委ねるのではなく、個人個人で行うものだという考え方がどんどん浸透してきています。

しかし、多様化は人々に混乱を生んでいるという側面もあります。そもそも供養とは遺されたものが行う死者と向き合うことです。

故人の供養はその配偶者や子どもだけではなく、将来的には孫やひ孫の行為にもなるわけですし、第三者の人にも故人を弔う権利があります。そういった方々への配慮はどうしても欠けざるを得ないというデメリットを含んでいることは注意すべきです。

また、手元供養をしている本人が亡くなった時、その遺骨をどうするのかという問題も今後出てくるでしょう。子手を合わせる場所を失った数十年後の子孫たちがどう感じ、どう行動するか。

現在の顕著となった多様化の評価は、いましばらく待たなければならないかもしれません。