お葬式・葬儀の雑費の費用
お葬式に必要なさまざまな費用
お葬式を執り行うにも実にさまざまな費用が必要となります。
それらは「飲食接待費」「寺院の費用」「葬儀一式の費用」の3つに大別することができます。
「飲食接待費」…通夜の料理、葬儀後の料理、飲み物代、返礼品など
「寺院の費用」…お布施、お膳料、お車代など
「葬儀一式の費用」…祭壇、棺、ドライアイス、搬送費、納棺備品、人件費など
今回は、お見積りに含まれにくい「雑費」について考えます。
飲食代
お葬式での飲食代というのは実は幅が広く、通夜ぶるまいや精進落としだけではありません。思い当たるものをいくつか列挙します。
〇通夜ぶるまいと精進落としでの飲み物代
料理と一緒にビールやお酒やジュースなどといった飲み物も振る舞われます。料理であれば、大皿料理であれ会席料理であれ、担当者が様子を見ながら追加できますが、飲み物は足りなくなれば冷蔵庫から出して振る舞うというのが実際の所です。
会葬者の規模や、参列いただいた方にお酒を飲まれる方が多いかなどによって費用は大きく増減するので、予想が付きにくいのが飲み物代です。
〇朝食代
会館に宿泊する場合、朝食の用意が必要です。近くのコンビニなどで購入しても構いませんし、ほとんどの葬儀社では仕出し業者の朝食の用意もできます。どちらを選んでも構わないでしょう。
〇火葬場での飲食代
出棺後の火葬場での過ごし方は地域によって異なります。
都心では約1時間の待ち時間を休憩室で過ごし、そこで飲食が振る舞われます。簡単な茶菓だけでなくアルコールやおつまみもあります。飲食代だけではなく使用した休憩室の料金も支払わなければなりません。
地方では、火葬中に一旦自宅に戻り、拾骨の時間に合わせて再び火葬場に集合するという所もあれば、火葬の待ち時間に精進落としを食べる地域もあります。
〇寺院へのお膳
寺院へのお膳を用意する場合、通夜ぶるまいや精進落としの席に同席いただくか、持ち帰り用の折詰を用意するか、どちらが都合がよいか予めお尋ねするとよいでしょう。
また、これらに代える形で「お膳料」を包むケースが全国的に増えています。
心付け
一昔前までは、お葬式は村に人たちで取り仕切り、それぞれの役の方々に手厚いもてなしをしたりお礼をしたりしていました。その名残が心づけとして現代のお葬式の現場にも残っています。
しかし最近では心付けの風習そのものを疑問視する傾向にあるように思えます。
「志」と書かれた小袋に入れて各現場のスタッフにお渡しします。喪主が用意することもあれば、葬儀社で立て替えで用意してもらうこともできます。
渡し先は、火葬場の火葬執行スタッフ、休憩室の配膳人、事務員、霊柩車の運転手、マイクロバスやハイヤーなどの出棺車両の運転手、葬儀会館の管理人、納骨をする場合は手伝っていただく石材店、などでしょうか。
ただし、火葬場は東京都心以外、全国のほとんどの地域では公営なので、職員は心づけを受け取りません。
心付けには賛否があり、あくまでも喪主の気持ちです。用意するかしないか、いくら包むかは自由に決めても構いません。迷われたら葬儀社に相談しましょう。
また、ある程度の相場は地域によってあるでしょうが、担当の葬儀社スタッフに心づけを渡したいと思われたら、それこそ喪主の気持ちでよいでしょう。
お手伝いの方々へのお礼
お葬式では受付や駐車場など、各現場でお手伝いさんをお願いすることがあります。町内の中で役割が決まっていたり、知人や勤め先の関係者にお願いすることもあるでしょう。
お手伝いの方々へのお礼は、折詰弁当だったり、後日菓子折りを持参したり、寸志を包んだりとさまざまです。地域の慣習も踏まえながらしましょう。
その他、会館への宿泊が難しい場合、遠方からの参列者の宿の手配をしたり、貸衣装、着付けなど、お葬式では何かと突発的な事柄が起きます。葬儀社が見積もりした金額以外にも、ある程度余分な現金を持ってお葬式に臨むのがよいでしょう。