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キリスト教のお葬式 プロテスタントの場合

カトリックが、ローマ法王を中心としたローマ・カトリック教会という、一つの体系化された教派であるならば、プロテスタントとはカトリック教会から分離した教派の総称で、「プロテスタント」という教派があるわけではなく、宗派の数は数百とも言われています。そのため、葬儀の進め方は教会や祭司によって異なります。

傾向として、伝統的に教義に厳格なカトリックに比べてプロテスタントの儀式は簡素で柔軟性があり、遺族の要望もある程度受け入れてもらえる余地があります。

詳細はそれぞれの教会に相談したよいでしょう。ここでは一般的なプロテスタントの葬儀の流れに触れてみます。

聖餐式

信者が危篤に瀕すると牧師が聖餐式を執り行います。これはカトリックによる「聖体拝領」と同じで、信者の口にパンと葡萄酒を与えます。

パンはキリストの肉で葡萄酒はキリストの血を表しています。聖書を呼んで、生前の罪の赦しと永遠の安息を祈ります。

信者が牧師に寄り添われることで死の恐怖を永遠の安息への始まりだと捉えることができるよう努めます。

搬送~納棺

搬送先は自宅か、あるいは会館や教会など葬儀を執り行う場所にします。安置した部屋には白布を掛けた小机を用意して、供花と灯と聖書を置きます。

納棺は速やかに行われます。納棺には牧師が立ち合い祈りを捧げます。キリスト教では死者の衣服のしきたりがありません。故人に衣服を着せて、遺族の手で納棺します。棺には黒の布を掛けます。

前夜式

「前夜祭」や「通夜式」などと呼び方はさまざまです。

プロテスタントでは祭壇や祭式を認めていないため、祭壇には、十字架、ロウソク、生花、遺影などと質素な飾りつけをします。讃美歌斉唱、聖書朗読、祈祷、献花などが主な内容です。

仏式のような通夜ぶるまいはありませんが、式後に軽食を囲んで故人を偲ぶことが多いようです。

出棺式

前夜式までを自宅で行う場合は葬儀当日に出棺式を行います。

出棺式には牧師が立ち合い、聖書朗読や祈祷などをし、祈りを捧げます。

葬儀・告別式

カトリックでは、祭主による厳粛な宗教儀式としての「ミサ」と、故人との別れ場の場としての「告別式」を区切りますが、プロテスタントでは区切ることはないようです。

また、「撒水」や「撒香」もなく、讃美歌や献花が儀式の主体です。

讃美歌斉唱、聖書朗読、祈祷、故人の略歴紹介、弔辞弔電、献花、遺族の挨拶などが主な内容です。

  • 入堂 オルガンの讃美歌演奏の中、牧師、喪主、遺族が入堂します。参列者は予め堂内に着席しています。棺は、予め安置されているケースと、遺族たちとともに入堂するケースがあります。
  • 開式 牧師が開式を告げます
  • 聖書朗読・祈祷・讃美歌斉唱
  • 故人の略歴紹介 牧師がすることがあれば、故人にゆかりのある人がすることもあります
  • 追悼の説教 牧師が聖書朗読、祈祷を行い故人の永遠の安息を祈ります
  • 弔辞・弔電披露
  • 閉式・遺族代表挨拶
  • 献花 オルガン演奏の中、喪主、遺族、親族、参列者の順に献花をします
  • 閉式

出棺・火葬

出棺や火葬は他宗と同じような流れです。

棺の中へのお花入れや、火葬炉前では牧師が祈りを捧げます。