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冠婚葬祭互助会系の葬儀社

俗に言う「互助会」と呼ばれる葬儀社です。

葬儀専門業者と違うのは互助会系の多くは冠婚葬祭に対してのサービス提供を行っているため、葬儀専門ではないのです。

互助会の仕組み

消費者は自分の好んだ葬儀業者に施行を依頼することになります。

昨今では生前から葬儀について考えることが一般化してきているので、葬儀社側もさまざまなイベントや会館の内覧会などを開催しては顧客の取り囲みを行っています。葬儀専門業者では自社の会員システムへの入会を勧めることが多いのですが、入会金はせいぜい5千円や1万円と言ったところでしょうか。

ところが、互助会では月々の掛け金を積み立てて、いざという時に結婚式や葬儀の費用に充当するというシステムを取っています。

互助会の問題点

この営業方法そのものは、経済産業大臣監督のもと「割賦販売法」という法律の中で行われているので何ら問題ありません。

しかし、昨今互助会トラブルがあとを絶たないとマスコミなどでも騒がれています。

  • 勧誘が強引だ
  • 入会時には掛け金だけで葬儀ができると言われたが、実際には法外な費用が掛かった
  • 解約を求めると色々な理由をつけては断られる
  • 解約時の違約金が法外だ

中には訴訟問題に発展したものもあり、京都にある互助会大手セレマが消費者団体に裁判を起こされて敗訴したのはその最たるものです。

では、なぜこのようなトラブルが起きやすくなっているのでしょうか。それは互助会システムそのものに温床があります。

冠婚葬祭互助会の基本は、毎月1000円~5000円程度の掛金を60回~100回程度払い込むと「結婚式」「お葬式」あるいは「七五三、成人式などの通過儀礼」に際し、極めて経済的に儀式が執り行える会員制の会社です。

加入者よりお預かりしている掛金は2兆3000億円を超えています。

全国の冠婚葬祭互助会では、各地に専用の結婚式場・ホテルなど冠婚施設、専用の斎場など葬祭施設を展開し、加入者の利便を図っているほか、貸衣裳店を経営しています。これらの施設はもちろん加入者へのサービス向上のために建設したものですが、加入者以外の一般の方でもご利用になれます。

冠婚葬祭互助会が加入者からお預かりしたお金は、加入者に対する儀式サービス向上のために設備、備品の購入に充てられていますが、掛けた金額の2分の1は割賦販売法の規定によって法務局または経済産業大臣が指定する金融機関などにより守られていますので、万一、互助会が倒産などの事態に陥った場合でも、安心です。

引用元:全日本冠婚葬祭互助協会HP http://www.zengokyo.or.jp/index.html

ポイントには波線を引きました。

経済的に葬儀が執り行える

→入会時には勧誘員は会員獲得には躍起ですから、商品説明の仕方によっては掛け金だけで葬儀が執り行えると勘違いしてしまいます。ほとんどのケースでは掛け金だけでは葬儀は執り行えず、追加料金が発生します。

掛けた金額の2分の1は保証される

→ということはあとの2分の1は保証されない。

つまり、互助会系の葬儀社は多くの会員を獲得して、掛け金の半分を会館建設などに先行投資したいと考えます

そのため、勧誘員のセールスはオーバートークになり、強引な勧誘、そして解約渋りが生じます。このあたり、現場の人間の対応はなんともアナログ的で泥臭く、強引です。

会員の掛け金の2分の1がそのまま業者の利益になり、いざ葬儀の施行となったら何かにつけてプランのグレードアップやオプションの提案をする。互助会系葬儀社の会館が立派なのもうなずけます。

葬儀社の売上ランキング

2011年のデータではありますが、葬儀社の売上ランキングはこのようになっています(帝国データバンク調べ http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p110102.html)

  • 1位 574億円 ベルコ/全国に「ベルコ」を展開
  • 2位 328億円 日本セレモニー/全国に「典礼会館」を展開
  • 3位 255億円 愛知冠婚葬祭互助会/東海地方で「愛昇殿」を展開
  • 4位 181億円 大和生研/兵庫と和歌山で「大和会館」を展開
  • 5位 169億円 アルファクラブ武蔵野/関東で「さがみ典礼」を展開

なんとトップ5を互助会系葬儀社が独占しています。6位にやっと、葬儀専門業者の公益社がランクインしています。

これらの売上高は全て単体決算とはいえ、葬儀以外の事業(結婚式や貸衣装など)の売上も含まれているでしょうから一概に葬儀専門業者との比較はできませんが、巨大な資本力を保有していることが分かると思います。

事業者数は全国で300程度と全体の1割前後に過ぎないのに、売上が業界全体の4割をも占めています。

一般の消費者はその葬儀社が葬儀専門業者なのか、互助会なのか、見分けはつかないでしょう。内覧会や入会の際には商品説明をしっかり聞いて判断しましょう。