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四十九日法要(満中陰法要)

四十九日の中陰を経て、故人の死霊は祖霊となり、魂は往生し、遺族は社会活動に復帰することができる、それが満中陰です。

そのほかにも「忌明け」「仕上げ」「大練忌」「七七日忌」などとも呼ばれます。寺院の導師の元、遺族親族が集まって故人の菩提を弔います。

法要までに準備しなければならないもの

〇日程の決定

菩提寺と打合せして決定しましょう。

日程は、親族など参列される方が集まりやすい土日や祝日にすることが多いです。四十九日が平日の場合は、その直前の土日などを利用します。法要は、忌日に当たる日を過ぎてから執り行うことはよくないとされています。

法要の場所は、自宅か寺院で行います。斎場を借りることもできます。

〇場所の決定

自宅か、寺院か、あるい斎場を借りて執り行います。

参列者数に対しての広さの問題や、交通の便など、総合的に考えて決めましょう。

〇会食の決定

法要のあとには会食の席を設けます。

<自宅で法要の場合>

仕出し店に依頼して自宅まで運んでもらう。あるいは別会場として料理店で会食する。

<寺院で法要の場合>

寺院の座敷を借りて仕出し店に運んでもらう。あるいは別会場として料理店で会食する。

座敷を借りることができるか、必ず事前に寺院に確認しましょう。

<斎場で法要の場合>

斎場の部屋を借りて仕出し店に運んでもらう。あるいは別会場として料理店で会食する。斎場に会食用の部屋があるか、必ず事前に確認しましょう。

一般的に法要のあとの食事では会席膳を用意することが多いですが、それにこだわることはありません。あくまでも故人を偲んで集まった人たちの食事の席なので、中華でも、フレンチでも、構わないでしょう。

会席膳の相場は5000円前後です。3000円くらいのものから1万円くらいのものもありますが、法要用の料理であればきちんと体裁を整えてくれます。

会食には寺院にも参加できるかお尋ねしてみましょう。もし都合が合わないようでしたら、お膳を1つお寺に届けてもらうか、お持ち帰りの折詰を用意するか、現金として「お膳料」をお渡ししましょう。金額は5000円か1万円くらいでしょう。

また、食事の席では、故人の遺影や位牌を置き、参列者と同じものを故人にも用意して供えます、これを影膳と呼びます。

〇案内状の作成

法要の案内状を準備しましょう。日程や場所や当日の流れを記載して、参列の可否を返送してもらいます。日時や場所が決まりしだい、速やかに郵送しましょう。

最近では家族親族だけの方も多いため、案内を電話などで済ませることもあるでしょう。

〇位牌や仏壇の用意

四十九日法要を済ませることで、故人は転生・成仏したと考えられます。それに併せて故人を祀るために使う仏具も中陰壇から仏壇に移ります。

たとえば、中陰壇では白木の祭壇、白無地の仏具(花立て、火立て、香炉など)、白木位牌などを用いますが、これらは忌明け後は、「忌」を断ち切る意味で使用しません。

白木の祭壇はお仏壇(塗り仏壇や唐木仏壇)を、白無地の仏具も真鍮製や柄入りの仏具を、白木位牌も塗り位牌や唐木位牌にします。

法要では白木位牌と新しい位牌を並べて読経をいただきます。位牌は必ず用意しましょう。また、お仏壇がない場合は、お仏壇も用意しましょう。

〇位牌の文字彫の手配

四十九日法要までに、新しい位牌を用意しましょう。

位牌には、寺院から授かった戒名、故人の生前の氏名、命日、年齢などを彫刻します。

彫刻文字の配列は、地域性や、寺院の指示や、仏具店によって異なるころがありますが、

関東では、表面に戒名と命日、裏面に生前の氏名、命日、年齢、関西では、表面に戒名、それ以外を裏面に彫る、、、という地域性の違いがあります。

新しく位牌を用意するときには主に3つのケースが考えられます。

①仏壇と位牌を新しく購入する

仏壇にあった適切な寸法があります。仏壇屋さんにアドバイスをもらいましょう。

②位牌だけを新しく購入する

すでにお仏壇を祀られている場合、位牌だけを新しく購入することになります。新しい位牌は、すでに祀られているご先祖様の位牌より大きくならないようにします。お仏壇の寸法や、すでに祀られている位牌の寸法を測った上で、仏壇屋さんに行かれるとよいでしょう。

③今ある位牌に追加彫刻する

夫婦位牌(1つの位牌に、夫婦の戒名を連名にして彫刻する祀り方)の場合、先に亡くなった方の戒名を左右どちらかに寄せて彫り、もう片方を空けておきます。後に亡くなった方の戒名を彫る場合には位牌をそのまま仏壇屋さんに持って行きます。

ただし、お仏壇の中から位牌を取り出す場合には、必ず寺院に性根抜きの読経をしてもらいましょう。

〇墓石の文字彫の手配

四十九日法要当日に遺骨をお墓に納骨する場合には、墓石に故人の戒名や生前のお名前などを彫刻します。当日までに間に合うように手配しましょう。

お墓がないかたは「四十九日法要までにお墓を建てなきゃ」と急がれなくても構いません。建墓納骨は一周忌や三回忌に合わせて行うところも多いです。

〇引き物(粗供養)の手配

法要の参列者に、参列していただいた御礼にお配りする品物を(引き物)用意します。  内容は、菓子の詰め合わせややタオルのセットや、海苔、ハム、乾物など、いわゆる一般的なギフトの内容から選ぶのでよいでしょう。予算は3000円前後が一般的です。

のしは、関東では黒白の結びきりで「粗供養」、関西では黄白の結びきりで「満中陰志」とします。

会食の席や、散会する時にお礼の言葉も添えてお渡しするのがよいでしょう。

〇卒塔婆の手配

卒塔婆とは追善供養のための木製の長い板です。お葬式の時に親戚の方々が名前を付けて供花を出されるように、法要の時には卒塔婆を供えます。

喪主は注文リストをまとめて、菩提寺に連絡しましょう。寺院が、梵字や経文や戒名などと合わせて施主名を書き、故人の菩提を弔うために寺院の本堂や墓地に立てます。

〇香典返しの手配

お葬式の香典返しを「即日返し」ではなく「後返し」でされる場合、四十九日法要を終えた翌日から数日の間に先方に届くように手配します。これは、いただいたお香典に対しての御礼と併せて、無事に四十九日法要を済ませたことの報告も兼ねているからです。

香典返しと、法要に用意する引き物はあくまで別物なので混同しないように気をつけましょう(香典返しは、お葬式の時にいただいたお香典に対しての御礼です)。

引き物は、四十九日法要に参列いただいた御礼、そしてその時にいただいたお香典に対しての御礼です。

そのため、親戚の方の場合、重複してお渡しすることもあります。

まとめ

仏事や供養は、宗派による取決めよりも、その地域の民俗や風習の影響を受けていることが多く、法要の執り行い方は地域によって大きく異なることが多々あります。

ここに列挙したのはあくまでも一般的なものなので、寺院、葬儀社、ギフト業者、仏壇店、墓石業者などにアドバイスをいただきながら進めていくのがよいでしょう。