家族葬とは? ~一般葬との違いとメリット・デメリット~
もはや葬儀スタイルのスタンダードになってしまった感のある家族葬。
みなさん家族葬を何となく頭では分かっているかもしれませんが、家族葬って、具体的にどんなお葬式なのでしょうか?
家族葬とは?一般葬との違いは?
家族葬と対になる言葉で一般葬と呼ばれるスタイルの葬儀があります。
何が「一般」なのか。以下の3点がポイントかと思われます。
①家族親族だけでなく、故人や遺族の関係者にも訃報を流し、
②通夜葬儀という二日間の日程で、
③仏教寺院に菩提を弔ってもらう
場所を自宅か会館でするかの違いはありますが、これが従来の日本のお葬式のスタンダードでした。
「接待葬儀」などと揶揄されたりしたようですが、いかに祭壇の大きさを競うか、いかに会葬者を手厚くもてなすかなどといった、見栄の張合いが過熱する葬儀の潮流に疑問を持つ声も多く、バブルが崩壊した1990年代にはその反動として「こじんまりしたお見送り」「義理の参列はいらない」「葬儀費用を安く抑えて」などという消費者の声を受ける形で、家族葬は葬儀業界のメインストリームとなったわけです。
家族葬とは、あくまで会葬規模を家族親族に抑える、といった小規模な葬儀全般を指す呼び方なので、家族葬と一般葬を分ける要素は、実は上の①だけなのです。
家族葬のメリット
○こじんまりとして、故人のことをよく知っている家族だけで暖かく見送ることができる。
→大切だった故人様との最期の時間をゆっくりと過ごすことができます。会葬者への対応に追われることもありません。
○日程やスタイルを自由に設定することができる
→遺族が望む葬儀を作り上げることができます。会葬者への配慮や体裁などの心配がありません。
○小規模だから予算を抑えることができる。
→料理や返礼品といった接待費を大幅に抑えることができ、葬祭スタッフの人件費なども削減することができます。
家族葬のデメリット
○葬儀後に訃報に接した親族や関係者の方々から苦言を呈される。
→「なんで教えてくれなかったの」という声や「普通は親族や関係者にも知らせるものだ」といった声。
○近所に知られるために自宅安置や自宅葬ができない。
→住み慣れた自宅に少しの時間だけでも帰してあげたいという思いが叶えられません。どうしてもという方は葬儀社に相談されればよいでしょうが、深夜や早朝の対応になるかもしれません。
○葬儀後、自宅への弔問客の対応に追われる。
→お茶の用意や、それ相応の挨拶と世間話をしなければなりません。これが一度でなく何度も続きますと、結局遺族は余計に疲れてしまうというケースがあります。
○香典を受け取ることができないために一般葬よりも多く費用がかかる場合がある。
→会葬者への接待費(料理や返礼品)は香典から相殺でき、余った分を葬儀費用に補填できますが、それを頼りにすることができません。
家族葬を選ぶ際のポイント
家族葬とはあくまでも会葬規模を指すものですので、たとえば「家族葬の無宗教葬」「家族葬の一日葬」なんてものももちろんありますし、費用を抑えるためにというのであれば家族葬にこだわらずに、広く訃報を流した上で、祭壇や接待費を安価なものに抑えるという方法もあります。
葬儀社は、家族葬のメリットとデメリットをちゃんと施主に説明するべきですし、施主たる消費者も冷静な判断が求められます。
葬儀は遺族のためだけにあるのではなく、亡くなった故人、そしてその故人と生前にご縁を繋いだ全ての方々のためでもあります。
あなたのご家族にとって、本当に家族葬が最適なお葬式の形なのか、今一度考えてみませんか?
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