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仏壇の種類 金仏壇

金仏壇は塗り仏壇と呼ばれ、金箔や漆塗りを施された仏壇の事です。主に浄土真宗の仏壇として使用されます。

 

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浄土真宗が金仏壇である理由

仏壇のことを浄土真宗では内仏(ないぶつ)とも呼びます。

仏壇とは、自宅の中に設けられた荘厳です。分かりやすく言うならば寺院の本堂の飾りをそのまま自宅用にコンパクトにまとめたのが仏壇です。

浄土真宗では本尊として阿弥陀如来を祀り、阿弥陀如来の本願によって、衆生は極楽浄土に往生されるとしています。そのため、仏壇の中に本尊と合わせて先祖の位牌を祀りません。日本人は多神教だと言われていますが、その中でも一神教の要素の強い宗派であると言えます。

そして、浄土真宗の重要な経典である『浄土三部経』(阿弥陀経、無量寿経、観無量寿経)の中ではまばゆく輝く極楽浄土の様子が事細かに描写されており、本山寺院(西本願寺や東本願寺など)の本堂の荘厳は、そこで描かれた浄土の再現です。彫刻、漆、金箔、金具、彩色など、長らく日本の都であった京都の伝統工芸の技術を集結して、真宗の内陣は荘厳されています。

日本中には浄土真宗の末寺がありますが、その寺院の荘厳も本山のそれに倣い、さらに門徒の家では、それらを祀った仏壇を構えました。

他宗の仏壇と比べて浄土真宗の金仏壇はまさに絢爛豪華です。位牌を必要とする他宗では本尊はお寺に、先祖は自宅の魂棚で祀りました(柳田国男の説)。棚に位牌や仏具を並べるだけの簡素なものでした。また、民俗学者の五来重は、真宗にはもともと末寺がなく、村の中の家に輪番で報恩講などの法要に集まった、門徒の家が寺の役目を果たしたために浄土真宗の仏壇は他宗よりも大きくなったとしています(五来重『先祖供養と墓』)。

浄土真宗以外の金仏壇というのもあります。ただしこれらの宗派では位牌を祀るために位牌壇を拵えるために、仏壇の構造が異なります。浄土真宗以外の方で金仏壇を求める場合は位牌壇のあるものを選びましょう。

 

分業制で作られていく仏壇

仏壇製造は1つの会社や工房で作られていると思われている方が多いのですが、どの産地でも分業制を取っています。

木地彫刻の職人はひたすら木地を彫り、漆の職人はひたすら漆を塗るわけです。それらを最終的に総合組み立てして、仏壇は仕上がります。

金仏壇の場合、主に、以下の職人で分業します。

  • 木地師…仏壇の骨組みに当たる木地を仮組します。
  • 宮殿師…宮殿(くうでん)とは仏像や祖師像を収める厨子の事で、浄土真宗の場合、屋根と柱で構成され、その中に阿弥陀如来を祀ります。
  • 塗師…金仏壇では、黒塗りの部分も金箔の部分も一度すべての面に漆塗りを施します。最近では代用漆(カシュ-など)を用いることが多いです。
  • 箔押師…金箔を押す職人です。
  • 蒔絵師…蒔絵を描く職人です。
  • 彫刻師…欄間などの彫刻をする職人です。
  • 錺金具師…「かざりかなぐし」と呼びます。金具の職人です。

金仏壇の産地

浄土真宗が盛んな地域の伝統工芸として、仏壇づくりは発展して経緯があります。

関西の大都市である京都や大阪や名古屋、金箔の生産地である金沢、そして、浄土真宗が盛んな地域として山形、新潟、彦根、姫路、広島、八女など、日本全国に産地があります。欄間の仕切り方や金具の取り付け方など、産地ごとに性格が異なるのも興味深い点です。

 

金仏壇の構造

先にも書きましたが自宅用の仏壇はそのまま真宗寺院の再現なので、構造としては寺院と同じなわけです。欄間や高欄や宮殿柱や須弥壇などの造りも、宮殿、上卓、前卓、灯篭や輪灯などといった仏具もそっくりそのまま大きくなったものが寺院の本堂でも飾られています。障子は内陣と外陣を分ける巻き障子を表し、扉は寺院の山門の扉を表しています。

このように仏壇の構造や配置や仏具には1つずつ意味があり、極楽浄土を表しています。

また、位牌を祀る宗派であれば仏壇の構造上、2段目を位牌壇としていますが、浄土真宗の金仏壇では位牌壇がなく、別誂えの前卓(まえじょく)という机を置き、その上に五具足を並べます。

仏壇によっては前卓のない略式の仏壇もあります。

 

西と東の違い

真宗十派と言いまして、浄土真宗には10の宗派がありますが、そのほとんどは浄土真宗本願寺派(西)と真宗大谷派(東)です。

浄土真宗は親鸞が開いた宗門ですが、弟子がさまざまな派を作ったり、徳川幕府が一大勢力を東西に二分したという歴史があります。そのため西と東ではお経の読み方や荘厳の違いなどが異なり、48の相違点があると言われています。

寺院の造りや、内陣の荘厳が異なるため、仏壇や仏具もそれぞれで微妙に異なります。さまざまな違いで見分けることができるのですが、そのうちの一部をご紹介します。

<仏像>

西:後光の下に舟後光がある

東:後光の下に舟後光がなく、蓮があしらってある

<掛軸>

西:後光が8本

東:後光が6本

<宮殿>

西:屋根が一重、柱が金箔塗り

東:屋根が二重、柱が黒塗りと金具打ち

<欄間>

西:金箔押し

東:金箔と淡い彩色

<仏飯の供え方>

西:丸く盛る

東:盛曹(もっそう)という仏具を用いて筒状に盛る

<上卓>

西:足が内側に曲がっている

東:足が外側に曲がっている

<上卓の仏具>

西:四具足(華鋲×2、火舎香炉、燭台)

東:三具足(華鋲×2、火舎香炉)

<前卓>

西:足が内側に曲がっている

東:足が外側に曲がっている

<五具足>

西:真鍮や銅に漆で色付けしたもの。黒っぽい

東:真鍮の地金。金色っぽい。そして、燭台が鶴と亀でできている

<土香炉>

西:青磁製で宗門(下り藤)が入る

東:青磁製で透かしの香炉

<供笥>

「くげ」と読みます。御華束(おけそく)とも呼びます。

西:六角形

東:八角形

<御文章>

西:御文章(ごぶんしょう)

東:御文(おふみ)

<灯篭>

西:猫足(足が内側に曲がっている)

東:丁足(足が外側に張り出している)

<瓔珞>

西:宮殿の屋根の隅に吊るす(隅瓔珞)

東:屋根には吊るさない。輪灯の笠の上に取り付けて飾る(輪灯瓔珞)

<輪灯>

西:菊輪灯。菊の紋様がある

東:紋様のないシンプルな造り

<りん布団>

西:丸布団

東:金襴輪

<りん台>

西:六角形

東:四角形

このほかにも寺院の違いとしては、畳を横向きに敷くか縦向きに敷くか、正信偈というお経の節回しの違い、報恩講という親鸞聖人の祥月命日前後に執り行う法要を旧暦でするか新暦でするかなど、さまざまな違いがあります。

 

位牌は祀らない

浄土真宗ではご先祖様の位牌を作りません。そのため浄土真宗用の仏壇には位牌壇がなく、過去帳を用います。過去帳の中に亡くなったご先祖様の法名、命日、享年、俗名などを記して、見台と呼ばれる専用の台に置いて飾ります。過去帳そのものには霊魂や性根が宿るものではないとされていますので、スペースがなかったりするのであれば引き出しなどに納めても構わないのですが、ご先祖様や故人を象徴する仏具として、大切に祀られているのが実際のところと言えるでしょう。

また、お仏壇であれば、法名(故人の法名やなどを書き記した紙)を掛軸に表装して仏壇の内側側面に吊るして祀ります。

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