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仏壇の種類 唐木仏壇

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「唐木」って何のこと?

唐木仏壇とは銘木を用いた仏壇の事です。

塗り仏壇のように芯材の上から漆やカシュ-などを用いて黒塗りにしたり、上から金箔を押したりせずに、銘木の素材そのものの、木目の美しさを活かした仏壇です。

よく使用される銘木には紫檀、黒檀、鉄刀木などの東南アジア産出のものがあります。これらは三大唐木と呼ばれ、今でも仏壇の原材料として人気があります。その他、桑や欅や屋久杉といった和木を使用することもあります。

「唐木」と呼ばれるのは、その昔、紫檀や黒檀などの東南アジアで算出される銘木が中国人(当時の唐)の通して輸入されてきたからだと言われています。ですが、和木も含めて銘木で作られた仏壇の総称として「唐木仏壇」と呼ばれています。

 

唐木仏壇の製造工程

上に挙げたような銘木は、世界的な需要の高まりと産出量の減少から、資産価値が高騰し、仏壇の部材全てを銘木でを製造しようとすると大変高価なものになります。

昨今の主流となっている工法は、芯材と表面材を分ける方法です。

芯材には、天然木材、天然合板(ベニヤ)、MDF(中質繊維板、いわゆるボードです)を用い、表面材に銘木を貼り付けます。

もちろん、芯材から全てを銘木で仕上げることも可能です。これを「総無垢」仕上げと言います。大変高価になるでしょう。

 

唐木仏壇の製造工程は主に以下のようになります。

  1. 木地加工(製材→乾燥→木取り→削り→貼り合わせ→面取り→枠組み)
  2. 彫刻加工(下絵→荒彫→中彫→仕上げ彫)
  3. 塗り加工(木地調整→着色→下塗り→下とぎ→中塗り→中とぎ→上塗り→上とぎ→仕上げ)
  4. 総合組み立て

 

練り物と貼り物

唐木仏壇を選ぶ際にポイントとなるのが、表面材の加工です。

先にも述べましたが、総無垢で仏壇を仕上げることはほとんどなく、芯材に銘木を貼り合わせて木目の美しさを表します。

この貼り合わせの方法が主に二つあります。「練り」と「貼り」です。

「練り」は銘木を貼り付けること。「貼り」は銘木に似せたプリント材を貼り付けることを呼びました。

そして、練りつける面の数によって使用する銘木の量も変わり、金額も大きく左右されます。

  • 総無垢:芯材から全て銘木使用
  • 四方練り:表面材の四面に銘木使用。
  • 三方練り:表面材の三面に銘木使用。
  • 二方練り:表面材の二面に銘木使用。
  • 前練り:表面材の前面のみに銘木使用。
  • 突板貼り:銘木を数ミリという薄さで削ったものを表面材に貼りつける。
  • プリント貼り:木目印刷したプリント材を表面材に貼りつける。

 

仏壇屋さんなどでは今でも「〇方練り」という呼び方が主流のようですが、現在では仏壇公正取引協議会が以下のように定義しています。(http://www.butudan-kousei.com/consumer/karaki-hyoumenzai.pdf)

  • 総無垢:無垢板のみのもの。無垢板を寄木したものも含む。
  • 厚板貼り:木材の無垢板(3ミリメートル以上の厚さの板)を芯材に貼ったもの。
  • 薄板貼り:木材の突板(0.1~0.8ミリメートル程度の薄さの板)を芯材に貼ったもの。
  • 調プリント:芯材に木材の模様を直接印刷したもの又は印刷したシートを貼り付けたもの。
  • 調着色:芯材に木材の色を着色したもの。

「調プリント」や「調着色」の仏壇では、「紫檀調仏壇」「黒檀調仏壇」と表記されています。厳密に銘木を使用していないからです。

 

浄土真宗以外は、唐木仏壇が多く選ばれる

寺院の本堂を見てみましても、木造建築の本堂の中に本尊を祀るための須弥壇や宮殿などを安置しますが、柱や欄間を漆塗りや金箔押しするのは浄土真宗くらいなもので、それ以外の宗派の寺院のほとんどは、木材に手を加えません。

真宗寺院が華やかに本堂を彩るのは極楽浄土の再現のためです。

自宅用の仏壇は寺院の様式を模しているために、浄土真宗以外の寺院の仏壇が唐木になるのは、自然な流れであると言えます。

ですから、天台宗、真言宗、浄土宗、臨在宗、曹洞宗、日蓮宗などといった各宗派がありますが、宗派別の仏壇というのは、原則的にありません。

同じ唐木仏壇の中身を変えればどの宗派でも使用できます。各宗派で礼拝の対象としている本尊(脇仏を含めた三尊)の掛軸や仏像をその宗派のものに合わせ(たとえば、真言宗であれば大日如来と弘法大師と不動明王、浄土宗であれば阿弥陀如来、善導大師、法然上人といった具合です)、その宗派でしか使用しない仏具を整えれば、あとはほとんど同じ飾り方です。

ただ、日蓮宗や法華宗専用の仏壇というものがあります。日蓮宗では本尊の掛軸や仏像以外にも三宝尊の仏像や八の巻などを安置し、そのための構造設計になっています。

また、浄土真宗以外の宗派向けの金仏壇もあり、浄土真宗と同じく『浄土三部経』を重要経典とする浄土宗の檀家がよく使用します。浄土宗では位牌を祀りますので、前卓がなくなり、位牌壇が設置されているのが特徴です。

 

産地

  • 徳島

唐木仏壇の生産地として有名なのは徳島です。

徳島は元来家具や鏡台の産地として栄えており、仏壇を製造する上での木工技術が地域の伝統工芸として土着していました。また徳島は、西日本の最大の都市である大阪の文化圏内に形成されており、太平洋戦争で大阪が甚大な被害を受けたために、戦後、徳島で作られた仏壇の需要が高まり、今日の発展にまで至ったと言われております。

また、四国は弘法大師のゆかりの寺院を巡るお遍路の舞台でもあり、徳島県内の約20%を真言宗寺院が占めています。そういった土地柄の要因もあるでしょう。

 

  • 会津

会津は昔より漆塗りの技術が盛んな土地だったために、位牌の一大産地となりました。その流れで位牌に留まらない、仏壇や仏具の産地として栄えています。

 

  • 東京

江戸時代は幕府のお膝元であり、明治時代より日本の首都である東京には数多くの人々が住んでおり、近畿や中国地方や九州や北陸などといった西日本に浄土系の寺院や信者が多いのに対し、関東や東北は真言天台禅宗系の寺院や信者が多く、東京での仏壇の生産が金仏壇より唐木仏壇の方が主流であったのはそのためと思われます。

 

  • 静岡

静岡も元来は家具や鏡台などの有力な生産地でした。その意味では徳島と同じく、木工技術の発達した地域と言えるでしょう。

また、宗教宗派の分布としては日蓮宗系、禅宗系の寺院の多い地帯です。静岡は、関東で需要の多い上置き仏壇やダルマ仏壇の生産を得意としています。最近では高級仏壇の生産も行っています。

静岡が唐木仏壇の一大生産地となったのは、1940年代に爆発的に信者を増やした日蓮正宗の発達に伴います。その後、日蓮正宗の信者団体が組織した創価学会も全国規模で多くの信者を獲得しました。日蓮正宗や創価学会の仏壇は従来の唐木仏壇とは異なる構造になっているために、需要に応えることのできる産地がたになかったという要因もあるかと思われます。

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