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仏具について(お供えのための仏具)

仏壇は、本尊や先祖を祀る祭壇です。その中で使われる仏具もさまざまなものがあります。

灯りを燈す仏具(灯篭や輪灯)、お供えのための仏具(仏飯器や高坏)、礼拝供養のための仏具(五具足やりん)など、その用途もさまざまです。

ここでは、お供えのための仏具をご紹介します。

 

仏飯器(ぶっぱんき)

仏様にご飯をお供えするための足のついた仏具です。

瀬戸物や真鍮製のものや、さまざまなものがあります。瀬戸物の仏飯器の場合は他の食器と同じように洗えますが、真鍮製のものを水や洗剤でごしごし洗ってしまうと、地金を痛めたり、色付きの場合、色落ちしてしまいます。

たいてい、ステンレスのおとしがついていることが多いので、これにごはんを盛ります。また、洗う時もステンレスのおとしは他の食器と同じように洗ってしまって大丈夫です。

 

盛曹(もっそう)

なかなか聞きなれない仏具ですが、真宗大谷派(俗にいう浄土真宗の「お東」)で使用する仏具です。

盛曹は、お供え物を容れる仏具ではなく、容れるための仏具です。

通常、仏飯は山盛りにして供えることが多いのですが、大谷派では筒状に盛るのが正式とされていて、それを作るための道具です。筒状の枠の中にご飯を押し込めて、押し出して用います。

 

湯呑

本尊や先祖に湯茶をお供えします。

湯呑の中には何をお供えすればいいのかとよく聞かれます。もちろん水でもお湯でもお茶でもジュースでもお酒でも構わないのでしょうが、なるべく、「手を加えてあげた」ものをお供えしてはいかがでしょうか?

たとえば、蛇口をひねって出た水道水をお供えするのであれば、火にかけて温めたお湯や、そのお湯から作ったお茶などをお供えすることをおすすめします。「手を加えた」その手間暇が、故人や先祖への気持ちになるでのではないでしょうか?

また、浄土真宗では湯茶はお供えしません。

 

華鋲(けびょう)

華鋲とは、浄土真宗だけで用いる仏具です。

死者は喉の渇きに苦しむと言われており、臨終の際には末期の水を取らせ、仏壇でもお墓でも湯茶を供えます。ところが浄土真宗では信心する者は亡くなると阿弥陀如来のいる極楽浄土に往生すると考えられています。死後の苦しみはなく、そのため仏壇も死者を祀る場所ではないのです。

阿弥陀様の周りには八功徳水という8つの功徳(澄清・清冷・美味・軽軟・潤沢・安和・除飢渇・諸根)があるとされる水がきれいな泉に湛えられてあると言われています。

その象徴として、華鋲という水差しの仏具に樒を挿してお供えします。

 

常花(金レンゲ)

金属製でできた蓮華です。蓮華は仏教ではとても大事なお花とされ、泥池に咲く蓮の花のように、迷いの世界に住みながらも清らかに生きることを表しています。

枯れずに金色に咲き続けるという、仏の功徳の永続性を象徴するために、木製や金属製のものが用いられます。

寺院用は木製で、木地師が仕立てたものを、金箔や彩色で仕上げます。

在家用は金属製が多く、アルミ製、真鍮製があります。

また、常花は生花の代用物ではありませんので、常花を一対飾るのとは別に、生花も飾ってお供えします。

 

高月(たかつき)

お供え物を置くための長い足のついた器です。菓子や果物などを供えます。

 

華足(けそく)

浄土真宗だけで用いる仏具で、餅や菓子を供えるための仏具です。

基本的には法要の時に用い、普段は使用しません。

 

霊供膳

死者や先祖にお供えするためのお膳です。

法事や盆彼岸や正月などに供え、普段は用意しません。

お膳には、飯、汁、漬物、煮物、和え物などを供えます。原則としては精進料理(肉や魚を用いない料理)とされていますが、家族の方が召し上がるものと同じものをお供えされてもいいでしょう。