葬儀における担当者との打合せの流れ
遺体の安置が済みますと担当者との打合せに臨み、葬儀を具体的な形にしていきます。
この記事では担当者との打ち合わせの流れをご紹介します。
葬儀における担当者との打合せの流れ
実際にお葬式を行おうとすると、あらゆる事柄を決めていかなければなりませんし、それらは脈絡なく思いついてしまうものです。
「祭壇はどうする?」
「花は誰の名前で出せばいいの?」
「写真はどんなのを用意する?」
「現金はいくら用意しておけばいいの?」
「親戚は誰が来てくれて何人くらいになるの?」
、、、などなど、喪主の素朴な疑問を挙げてみると枚挙に暇がありません。
それら、脈絡なくこんがらがる喪主や遺族の考えなければならないことを親切丁寧に整理してあげるのが優れた担当者の仕事です。
葬儀の打合せは、主に次の3つに大別できます。
- いつ、どこで葬儀をするか
- 用意や手配をしなければいけないものの確認
- 予算やプランの決定
まずこれらが大枠なのだということを理解して、打合せに臨みましょう。
1.いつ、どこでお葬式をするか
日程と場所を決めるためにはいくつかの事柄を確認しなければなりません。
○会葬者は何人くらいになるか、おおよその人数を割り出す
規模に見合った式場を選定するために、おおよその人数を予測しましょう。
またそれ以外にも、料理や返礼品の手配や導線の確認など、これからお葬式を形作っていく上で人数の割り出しは非常に重要となります。
○宗教者の日程の都合を伺う
すでにお寺づきあいがあったり、来ていただく宗教者が決まっている場合、なるべくその方の都合を優先しましょう。
葬儀社に紹介してもらう場合は、遺族希望の日程に合わせることができます。
○宗教、宗派の決定
もし特定の宗教者との付き合いがない場合は葬儀社に紹介してもらえます。
そのためにはどの宗教、どの宗派で葬儀を執り行うかを決めなくてはなりません。また、家代々の宗教を調べることや、今後の埋葬を考えておくことはとても重要なことです。
もし、埋葬したいと思うお墓がお寺の境内にある場合、その寺院に戒名を頂かないと埋葬できないことがあります。葬儀社に紹介された別の寺院に戒名を頂いたために、いざ埋葬するという時になって改めて戒名を頂きなおして大変な思いをされた方もいます。
葬儀社主導で宗教者を紹介してもらうのは構いませんが、あとあとのことをしっかりと考えてから進めましょう。
○式場の決定、空きを確認する
アクセスの良し悪し、収容人数、式場費、宿泊の可否などから、総合的に判断しましょう。
○火葬場の予約、空きを確認する
担当者が予約をしてくれるはずです。
○訃報連絡を作成し、速やかにお知らせする。
お葬式の日程と場所を決めるためには、宗教者の都合と、遺族の希望と、式場や火葬場の空きとの調整が必要になります。
どれを最優先に考えるかは状況によりますが、担当者に相談しながら考えましょう。
2.②用意や手配をしなければならないものの確認
用意や手配は、お葬式の規模やスタイルなどによって1件1件それぞれ異なります。ここでは代表的なものを列挙します。
○葬儀スケジュールの確認
納棺の儀、通夜、葬儀告別式、出棺・火葬、といった一連の流れを把握しましょう。
最近では火葬後に初七日法要を繰り上げて行うケースも増えています。
○喪主の決定
かつては戸主が喪主を務めましたが、最近では故人から一番近い方を喪主にする傾向が強いようです。
配偶者であったり、子でも故人とともに住んでいたり、介護をよくされたりという理由から長男に限らないことも多々あります。また葬儀後の祭祀(お仏壇やお墓)を誰がするかも含めて前もって考えておくのがよいでしょう。
○死亡届の提出
担当者で代行してもらえますので、死亡診断書と認印を預けましょう。
○お手伝いの手配
記帳所、受付、会計など、お手伝いの協力が必要な場合は、どこに何人必要かを担当者に確認しましょう。
近所や勤め先の方にお願いするのであれば、遺族の中で窓口になる方を決めておきましょう。また、お葬式の規模によっては、駐車場や、下足場など、さまざまな持ち場があります。
○供花代金のとりまとめ
親戚の方などから供花を頂く場合、そのお金のとりまとめをする人を決めておきましょう。一般の方からの供花の申し込みは葬儀社を窓口にすることができますので、担当者に相談しましょう。
○遺影写真の準備
遺影は祭壇中央に飾られ、お葬式の中でもとても大切なもののうちの一つです。会葬者は遺影を見て焼香し、故人を偲び、冥福を祈りますし、また、お葬式のあともその遺影の表情が、永く故人を表すものとなります。
慌てて写真を探して家じゅうをひっくり返すこともあるようです。事前に決めておくことをおすすめします。
○BGⅯの準備
式場内でのBGⅯや、出棺の時に流してほしい音楽などがあれば、CDやテープなどを担当者に預けましょう。
※音響を禁止している会館もあります。
○思い出の品の展示
故人の愛用品など、思い出の品の展示を希望される場合は早めに担当者にお願いしましょう。
○弔辞のお願い
お葬式の中で弔辞を読まれる場合、弔辞者と打合せをします。文面や時間などは担当者も交えて相談しましょう。
○喪主の挨拶
喪主挨拶は主に、通夜時、出棺時、精進落とし時に、会葬者や親族に会葬のお礼を述べます。
特に出棺時の挨拶は、儀式として厳粛なものになります。紙を見ながらの挨拶でも失礼にはあたりません。丁寧で、心のこもった文面を考えましょう。また、やむを得ない場合は「遺族代表挨拶」として喪主以外が挨拶をしても構いません。
○出棺時の役割分担
遺影を持つ人、位牌を持つ人、火葬後は遺骨を持つ人などを予め決めておきましょう。
また、出棺車両(ハイヤー・マイクロバス・自家用車など)に誰が乗車するかなども考えておきましょう。
○献杯の発声
献杯とは精進落としを始めるための発声です。仏事の席では「乾杯」ではなく「献杯」と発声します。
献杯は通常喪主ではなく、その場に居合わせる親族に対して労いの言葉を掛ける立場にある方、親戚の中での長老格の方にしていただきます。事前に打診しておくのがよいでしょう。
3.予算やプランの決定
お葬式の費用構成は、以下のようになります。
A:施行費(お葬式のための基本的な費用 祭壇・棺・ドライアイスなど)
B:接待費(数量が変動する可能性がある 料理・返礼品など)
C:謝礼費(宗教者への謝礼、心づけなど)
葬儀社が直接提案するのはAですが、Bも結局は間に葬儀社が入って手配してもらいます。お寺との付き合いがあれば別ですが、宗教者を紹介してもらう場合はCも葬儀社が主導で案内することになります。
A、B、Cとそれぞれ支払い先が異なります。親切な葬儀社は自社が請求する金額分だけでなく、遺族が用意しなければならない「総費用」のアドバイスをしてくれるはずです。相談してみましょう。
お葬式の費用については、より詳しくまとめたものを改めて別の記事として設けるつもりですが、何より担当者が提案してきた見積もりには、妥協せずにしっかりした説明と相談を受けましょう。また、お葬式当日に現金で支払わなければならないものもあります。現金をいくら用意しておかなければならないかも、担当者に確認しておきましょう。
さて、この記事の中でどれだけ「担当者」や「担当者に相談」という語が出て来たでしょうか?
前の記事でも述べたように、それだけ担当者の的確なアドバイスや迅速な動きや、何よりもご家族のために親身になってくれる真面目さが、よいお葬式のための重要な要素だということです。担当者は、不慣れなお葬式を豊富な経験でアドバイスしてくれる専門家でもあり、喪主の代わりに走り回ってくれる代理人でもあります。
親戚のように親身になってくれる、そんな素晴らしい担当者とめぐり合えればよいですね。